さくらんぼ。辞書で引くと「さくらん坊」と書かれています。さくらんぼは「さくらご」とも呼ばれ、小さく、愛らしいイメージの代表的な果物です。
一般的には、木は桜桃、実はさくらんぼ、加工されるとチェリーと使われています。
さくらんぼは季節感を伝えてくれる果物としてがんばっていますが、それだけに高級な果物で、庶民感覚では「いつか安くなったら食べよう」と思っているうちに、そのシーズン食べずに過ごしてしまうという人も多いようです。
生食用サクランボは一般に自家受粉しないので、通常は異品種を2本以上植えて交配しなければならなりません。これは、強い子孫を残し生き残るために、自家受粉して劣性遺伝を残さないためだといわれています。
雌しべは1番最初に自分の樹の花粉が付くはずですが、他の種の多様な遺伝子を受けようと、同じ種の花粉は受付けないように柱頭で防御物質を作り出し、自家受粉を妨げているそうです。ですから、2品種以上の花粉を互いに交配させる必要があるのです。しかし、違う種類ならばなんでもいいわけでもありません。
まず種類ごとにいくつかのグループに分かれます。次にそのグループ内の組み合わせでは、絶対に実がならないというのだから大変です。更に先に咲く花が、後に咲く花に花粉をあげることはできても、後に咲く花が、先に咲く花に花粉をあげることはできないので、組み合わせと一緒に開花時期も考えなければいけません。
さくらんぼの甘みはブドウ糖、酸味はリンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸などの有機酸から
構成されています。また、カロチンも多く含んでいます。
あの小さな体にあまり栄養効果はなさそうに見えますが、あえて探せば利尿作用や気管支炎などの消炎作用があるといわれています。