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2014年2月5日(水)〜昆布〜

昆布という名の由来は、はっきりしませんが、アイヌ人がコンプと呼び、これが中国に入って、再び外来語として日本に逆輸入されたといわれています。平安朝、昆布は「比呂米」「衣比須女」といった万葉仮名が用いられていますが、ヒロメに広布、エビスメには産地が蝦夷地であるところから夷布という文字も使われていました。蝦夷地(北海道)の開拓以来、こんぶを食べる地域は時代とともに広がっていきました。このこんぶが運ばれて行った道を、“こんぶロード”と呼びます。
栄養面からみたこんぶの特徴は、なんといっても無機質(ミネラル)が豊富なことです。カルシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、よう素などの無機質は、体の組織をつくったり、調子を整えたりする大切な栄養素です。しかし、無機質は体内でつくることができないので、食物からとらなければなりません。
また、こんぶは無機質が豊富であるというだけでなく、食物繊維を多くふくんでいるという特徴があります。食物繊維とは、胃や腸で消化されない食物中の成分をいいます。こんぶにふくまれているアルギン酸もその一つで、ヌルヌルしているのが特徴です。食物繊維には、腸内の余分なコレステロールを体の外に出すはたらきがあり、成人病や大腸がんの予防、肥満を防ぐなどの効果があるといわれ、最近注目を集めています。しかし、ほかの栄養素の吸収をさまたげるといった、マイナス面もありますから、いろいろな食品を組み合わせて食べることが大切です。
 わたしたちの食生活の中で、不足しがちな栄養素がカルシウムです。成長期にあるわたしたちをはじめ、骨がもろくなる高齢者や働きざかりの大人まで、すべての人の健康を支える上で、カルシウムは大事な栄養素です。こんぶ(乾物)には、牛乳の約7倍ものカルシウムがふくまれています。

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