はちみつは、ミツバチが植物の花のみつ腺から多糖類である花みつを胃(みつ嚢)の中に吸いとって、巣の中で多数の仲間のハチに分配し、ここで単糖類に分解しながら吐き出して巣房の中に蓄えたものです。古くは、スペイン北部のアルタミラ洞窟の壁面に描かれているはちみつの採取風景などから、前1万8000〜前1万5000年ころよりはちみつは人々によく利用されてきた最も古い食物の一つであるといわれています。
その利用法も多様で、薬用(内服、外傷)、みつ酒、化粧品、パンや菓子などへの添加、料理の材料へと変遷をとげます。
日本では643年(皇極2)に百済の太子余豊が大和三輪山で養蜂した記事が「日本書紀」にみられ、「延喜式」などにもしばしば現れるが、当時はおもに神饌用、薬用でした。このあと、明治の初期に西洋ミツバチが入ってくるまで、飼養の対象が日本ミツバチということもあって量的に生産高も少なく、この傾向は続き、西洋的な利用の多様化がはかられたのは、ごく最近のことです。
はちみつはいろいろな成分を含んではいますが、3/4は果糖とブドウ糖で両者の割合は、果糖がチョット多いぐらいのはぼ半々です。それ以外に麦芽糖、オリゴ糖も少々含まれ、後は水分2割位。脂溶性ビタミンを除くビタミン、ミネラル、酵素、有機酸糖が微量含まれている程度です。 また、はちみつは強い殺菌力をもっており、保存食の代表的なもので、古くなったものを食べても心配はありません。賞味期限は風味をおいしく味わっていただく意味から生産者の個々の判断で2〜5年の間で設定されています。
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