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2006年1月11日(水)〜禁酒法〜

1920年1月16日にアメリカで「禁酒法」が成立しました。
最初に「禁酒法」という日本語がそもそも正しい訳ではないということです。この法律は正確には「酒類製造・販売・運搬等禁止法」と訳されます。それを単に「禁酒法」と短縮したから日本での様々な誤解を産んだのです。小説や映画で禁酒法の時代なのにこんなことをして違法ではないのだろうかと思うシーンに出合ったことがあると思いますが、その混乱や誤解はこの訳から来ているのです。
つまり、お酒を作ってはいけない。売ってはいけない。運んではいけない。これだけなのです。肝心の「お酒を飲む」ことは法律としては禁じていないのです。作ることを禁止すれば、飲むことも出来ない筈だという発想なのです。ここにこの法律の矛盾があったのです。なぜ、こんな法律になったのかというと、当時、清教徒(ピューリタン)の影響が強かったアメリカではアルコールに対する強い批判があり、20世紀初頭までに18の州で禁酒法が実施されていましたが、これが全国におよびました。
しかし、酒を求める人がもぐり酒場に集まり、密造、密輸の酒をのんでいました。禁酒法下、アメリカ酒場は禁酒法以前の2倍にふえ、酔っ払い運転で取締りをうけた件数は5倍、アル中で死亡した人は6倍にものぼったといわれます。

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