アレルギー表示が義務付けされるようになってからずいぶんと経ちました。 アレルギーというのは、なぜ起こるのでしょうか。
アレルギー体質を持っている人の体に抗原が入ってくると、体の抗体産生組織が異常に反応し、たくさんの抗体をつくります。これがIgE抗体と呼ばれるものです。これが抗原抗体反応をひき起こし、皮膚や鼻、気管支などに働き、さまざまな症状となって現れるというわけです。
アレルギーを引き起こす抗原はじつにさまざま。人にとっての異物は、理論的にはすべて抗原となりうるのですが、実際にはタンパク質が主なものとなり、これがアレルギー症状を引き起こす原因となっています。ですから、卵や大豆、牛乳、肉がアレルゲンになるのは、これらの食品のタンパク質がうまく体内で分解されないことから起こります。 タンパク質の消化能力はもちろん人によって異なるので、一概にはいえませんが、肉食中心で、高タンパク・高脂質の食生活は、未消化のタンパク質をつくりやすく、それが腸から吸収されると、IgEという抗体がつくられ、アレルギー反応が起こるきっかけとなります。 また、食べすぎで栄養過多の食生活は、摂取した栄養がエネルギーに変わるときに発生する活性酸素の量をふやし、細胞が活性酸素の攻撃にさらされるため、体内組織の防衛力を弱めます。その結果、アレルギーによる炎症も起こりやすくなってしまうのです。同時に、腸の働きが低下すると、未消化のタンパク質を排出せずに吸収しやすくなってしまうので、食物アレルギーを起こす危険も高くなってしまいます。
|